コンテナハウスの魅力の1つして、海洋輸送用のコンテナが持つ雰囲気を漂わせていることをあげることができると思います。その機能性やデザイン、安全性さといった性能の他にも、7つの海を旅して物資を運搬するコンテナが持つロマンをどこかに感じることができとることも、コンテナハウスが人を惹きつける理由の1つだと思います。ですが、実際には建築用コンテナとISO海洋輸送コンテナは、似て非なるものなのです。今回は、その違いについて見ていきます。
○ISO海洋輸送コンテナとは?
まずは、ISO海洋輸送コンテナについて見ていきます。ISO海洋輸送コンテナは、簡単に言えば、海洋輸送の利便性を考え、世界的に統一された規格で作られたコンテナのことです。よく、港などで船に積み下ろしされている大きな箱のようなものです。同じサイズのものの方が、船に積み込み、収納するのに便利ですよね。船から降ろして陸上輸送する際には、そのまま、トレーラーに載せることもできます。そして、重ねてもいいように、丈夫な鋼板でできています。
サイズは、次のようになっています。幅は全て2438ミリです。
- 長さ20フィート・高さ2896【ハイキューブコンテナ】
- 長さ20フィート・高さ2596
- 長さ20フィート・高さ2896【ハイキューブコンテナ】
- 長さ20フィート・高さ2596
1フィートは、304.8ミリですから、20フィートは6,096ミリ、40フィートで12,192ミリ、つまり約6メートル、12メートルということになりますね。
○建築用コンテナとISO海洋輸送用コンテナの共通点は?そのメリットは?
では、建築用コンテナとISO海洋輸送用コンテナの共通点は、何なのでしょうか。それは、ズバリ、サイズになります。20フィート、40フィートとありますが、コンテナハウスはこのサイズで作られています。高さについては、建築物として使用する場合は、内装等も考慮に入れる必要がありますから、2896ミリのものが多いと言えます。そして、どうして、この規格のコンテナハウスが作られるかというと、コンテナハウス自体の輸送に便利だというのも大きな要因と言えますし、輸送用のコンテナが持つ雰囲気を感じることができ、一般的な建築物との違いやオリジナリティーを出せる、お洒落な雰囲気があるというのもコンテナハウスの持つ魅力であり、メリットと言えます。
○建築用コンテナとISO海洋輸送用コンテナの違いは?
では、建築用コンテナとISO海洋輸送用コンテナの違いについて見ていきます。
まずは、構造についてです。建築用コンテナには次のような特徴があります。
・窓などの開口部を設けても安全性に問題がない。
・使われている鋼材が全てJIS基準に適合するものとなっている。
・溶接等もJIS認定の工場で行われている。
これらによって、建築基準法に適合した合法で安全なものとなっています。
また、この構造のおかげで、建築用コンテナでは、様々なデザインや使い勝手が可能となり、快適に過ごすことができるようになっています。
では、海洋輸送用コンテナを建築物として利用できなかというと、不可というのが答になります。例え、物置代わりに使うとしても、土地に定着する、容易に動かせないものは建築物として扱われますから、建築基準法に適合している必要があります。海洋輸送用コンテナそのままでは、その基準を満たすことはできず、違法ということになります。また、居住性は勿論、建築物としての安全性にも問題があるということにもなります。
今回は、建築用コンテナとISO海洋輸送用コンテナとの違いについて見て来ました。似て
非なるものですが、建築用コンテナを使ったコンテナハウスには、やはりロマンのような
ものを感じることができますよね。違いを理解した上で、正しくコンテナハウスライフを
楽しんでください。