独特の存在感のあるコンテナハウスは、どんな場所、ロケーションでも似合うものです。都心は勿論、田園風景や山間地帯でも風景に溶け込むことが出来ると同時に、自己主張してくれる建物です。それは、海辺でも同じです。海岸や岬の先端に建つコンテナハウスの美しさは、まるで映画の中の1シーンのようです。ですが、海の近くのコンテナハウスには大きな敵が存在します。それは、海の塩、潮風による塩害です。今回は、そんな塩害について見ていきます。
塩害とは?
塩害とは、その名の通り、海水に含まれる塩分の影響で、構造物等に悪影響が出てしまうことです。特に、金属部分には大きなダメージを与えることがあります。直接、海水を浴びなくても、海水が蒸発することで塩分を含んだ空気が付着することで、錆び、腐食等の劣化が起きてしまいます。そして、塩害が出始めた建物をそのままにしておくと、金属部分が腐食によりボロボロになってしまい、雨水などの侵入により建物全体の劣化が早まってしまいます。また、外壁の塗装で言えば、シリコン系の塗装を例にとると、一般的には10年から15年ぐらいの耐用年数があると言われているものが、海辺ならば約半分になるとも言われています。さらに、場合によっては、電気系統にも影響が出てしまい、漏電、そして火災といったことを引き起こす可能性も出てきます。
塩害はどんな場所でおきる?
では、塩害はどのような場所で起きる可能性があるのでしょうか。海沿いは勿論ですが、案外、海から離れていても、海からの風の影響で塩害は起きます。だいたい海から5キロ圏内では、塩害の可能性を考えておかなければいけないようです。数字で言えば5キロが目安になりますが、その他に「海の香りがする。」「近くの構造物に錆び、腐食が見られる。」といった場合には、対策が必要だと思ってください。
塩害が起きやすい材質、箇所は?
金属系のスチール、ガルバリウム、トタンといった材質は、塩害による錆び、腐食が起きやすくなります。勿論、一般的に外壁等に用いられる窯業サイディングなどでも塩害は起きてきます。
そして、これらの材質を用いた、屋根や外壁、門や柵・塀等は勿論、玄関の扉や窓のサッシといった部分で塩害は進んでいきますが、その他にも金属を用いている部分は、塩害が起きてきます。つまり、建物全体と捉えていただいてもいいかと思います。そして、建物の隙間から侵入し、普段は目に付かないようなところでも塩害は進んでいきます。
コンテナハウスの塩害対策は?
潮風による塩害と建物との関係について見て来ましたが、コンテナハウスについても同じことが言えます。ですが、対策をしっかりとしておけば、大切なコンテナハウスを永く使い続けることができます。対策の中には、普段から出来ることともあります。それは、水洗いです。定期的にホースで水をかけて、柔らかいブラシで外壁等を塩分を洗い流すつもりで清掃してください。
そして、外壁や屋根等の塗装の際には、耐塩性に優れた塗料の使用を考えてみてください。フッ素系やアクリルシリコン樹脂系のものが、その代表的なものですが、確かに通常使われるウレタン系、シリコン系のものに較べると、単価は高くなりますが、塗り替えの間隔が長くなりますから、長い目で見ると、一概に支出が増えてしまうというわけではありません。また、無機塗料と呼ばれるものを使えば、雨が降れば汚れを自然に落としてくれますから塩害対策には有効です。
今回は、コンテナハウスでも必要となってくる場合がある塩害について見て来ました。勿論、せっかくのコンテナハウスを永く使い続けるためには塩害対策は必要ですが、場所や仕様などによって違ってきます。そして、何より、コンテナハウスらしさを失わないものであるべきだと思っています。
私達、BeatCapsuleは、海の近くのコンテナハウスも素敵だと思っています。そして、そんなコンテナハウスを応援していきたいとも思っています。「コンテナハウスが大好きだけど、海の近くで塩害が心配」といった方、是非、一度、お話をお聞かせください。諦めるのは、まだ早いですよ。